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パパの子育て(長男+三男)

パパの子育て(長男+三男)

退院 そして葬儀の手配

退院の朝、病院から電話があり、昼過ぎに病理解剖が終わる旨、連絡があった。
すぐに取りに行った方が良いのか聞くと、しばらく身体を預かる事は出来ますとの事。
まぁ、奥さまも旦那も早くタクさんを退院させたかったので、その時間に迎えに行く事にした。

さて、その前に、やらねばならない事。
それは、旅立ちの準備。
旦那は葬儀屋に連絡。
どうやって探したかと言うと、正直ネットです。

良く聞く話、病院で危篤の報を受けると、葬儀屋が病院に詰め掛ける...
ってのは、無かった。まぁ、公的な病院だったからかもしれない。
これは、旦那にとって良かった。
タクさんの悲しみの中、
「葬儀屋です。ご提案に来ました。」
なんて言われ様もんなら、もう、ブチ切れです。

旦那は、旦那の親と相談し、家族葬に決め、家族葬を請け負う近隣の葬儀屋を検索。
情報収集の後、業者に連絡した。
家族葬にも、会場を借りるやり方と、家でやる方法とがあるのだが、近しい人との密葬を自宅でやる事とした。
(自宅は、賃貸マンションです。)
葬儀屋は夕方に来て、まずお線香をあげられるようにしてくれた。
そしてプランの説明と価格交渉。
一番簡素なプランを選び、祭壇をキャンセル。
その代わり、沢山の花で埋めるようにして貰う事に。(花代は追加料金)
気になるお値段は、一番安いコース:基本料 42万円+花代10万くらい。

価格もプランも満足し、お願いする事とした。
葬儀屋さんによるお坊さんの手配、そして火葬の手配を直ぐに行ってもらった。
葬儀屋さん曰く、赤ちゃんは体内の水分量が多いため、早く痛んでくる(適切な表現が分かりませんのでご勘弁を)そうな。

通夜は無しで、翌日葬儀。そして、火葬と言う事に。
翌日の葬儀に備え、すぐに葬儀屋さんは飾り付けの手配をした。
18時過ぎに葬儀屋さんと花屋さんが自宅に来て、飾り付けを全て完了。
後は、翌日お坊さんが来るのみとなった。
早くに葬儀の準備をしてくれたおかげで、この夜に来てくれた友人知人にはステキな飾り付けを見てもらえて良かったと思う。

この夜、急な事なのに駆けつけてくれたのは、我が家より一ヶ月早く出産したお隣さん。なぜか近隣に住んでいる旦那の友人3家族。地域の双子の会で知り合った先輩双子ママ。双子にとって叔母さんに当たる奥さまの妹達。旦那の家族。
近しい人達に、タクさんの報告をする度に泣きました。ボロボロと涙が溢れ続けました。
悲しい報告をするのは嫌だったけれども、タクさんのために訪問してくれた事に、ただ感謝の夫婦でした。



・・・さて、時間を遡り、タクさんの退院について

リビング+2部屋しかない我が家だが、一部屋を片付けてタクさんを迎える準備をした。
タクさんのために買っておいたベビー布団を敷き、タクさんを連れ帰ってくるのみ。
病院に夫婦で訪れ、検死解剖の目視による結果と死亡診断書などの手続き、医療費の支払い。そして、霊安室でのご対面。
「タクさ~ん。退院ですよ~」
笑って言える訳もなく、ボロボロ涙を流しながらの退院となりました。
退院の前には、霊安室で関係者一同リンを鳴らしお祈りをしてくれました。
夫婦の兄貴分だった主治医の先生、素晴らしい技術で心臓の奇形を戻してくれた執刀医、我が子の様に愛情を注いでくれた看護婦さんたち。

霊安室で受け取ったタクさんは、正面玄関から出る訳には行かない。
そこで、霊安室横のドアから直接外に出る。
その前には車を置くスペースがあり、旦那はそこに車を移動させていた。

ちなみに、自家用車と言うのは、赤ちゃんなのでストレッチャーに乗せて霊柩車で帰る方法と、家族がダッコして自家用車で帰る方法がある。
もちろん、我が家はママのダッコでの退院を選択した。

つれて帰ったタクさんを布団に寝かせると、本当に寝ている様。
初お布団
静かな寝顔で、このままずっと置いておきたい気分。
夫婦は、タクさんを起こさない様、静かに部屋を出て旅立ちに持たせてあげるおもちゃを買いに行きました。
おもちゃ屋では、つい涙が。
タクさんにねだられたかった。タクさんと買いに来たかった。大きくなったら、どんなものを欲しがるのか。想像する度に涙が溢れてきた。変な買い物客です。
普段口数の少ない旦那は、涙が溢れるのをこらえるために、奥さんの意見に積極的に応えていた。
買い物を終え、枕元に並べ、記念写真を撮って、家族でまったり語りかけていると、葬儀屋がタクさんを飾りに来てくれた。

想像以上にキレイに飾ってくれた。
タクさんも家族も満足。
飾りつけ
<見よ! このステキな旅支度を>
旅の準備OK
<おもちゃ、おしゃぶり、お菓子と大切なママの母乳を5パック入れてあげました>
<パパが育てたお花も入れてあげました。縁起が良いかは別として、季節の花クロッカスです。>

そしてこの日は、初めて家族揃って就寝する事に。

しかし、そこは兄くん。
タクさんに気を遣ったのか、いつもの時間帯にグズグズ。
奥さんとタクさんの二人だけの時間を演出していました。
グズグズ後に、家族揃って今度こそ就寝。
残念ながら、兄くん以外はタクさんの夢を見る事はありませんでした。
でも、家族揃って寝る事が出来て良かった。
(家族で温泉旅館に行っていたら... とつい想像してしまった旦那は、またウルウル。)

タクさんが亡くなって悲しかったとは言え、退院してきて一緒に寝れるというだけでも、心が晴れたと言うか、嬉しかった出来事です。
悲しいながらも、嬉しい一夜限りの出来事でした。
パパと双子
<二人ともオヤスミ~。良い夢見るんだぞ~。>


葬儀の依頼の仕方や、霊安室からの帰り方など、お勉強になりました。
家族も双子も満足の日だったと思います。
何より、タクさんが帰ってきてくれたのが嬉しかった一日でした。
(もっとも、本来であれば元気なタクさんが帰って来る筈でしたが・・・  無念です。)


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